五海ゆうじ写真通信125

「言葉と映画」
私、ジム・ジャームッシュのファンであります。
「Stranger Than Paradise」(1984)を見た時からですね、
あの映画の新鮮さ、それはもうなんといっていいか、心を震わせたのです。
あれから幾年月、
先日最新作といっても公開は2年前になりますが「Paterson 」をDVDで見たんですね、
これがまたまたおもしろかった。
趣味で詩を書いているバス運転手の単純な一週間の話です。
こんなにも引き込まれて見た映画は久しぶりでしたよ、
見終わった後、こう静かな興奮がじわりじわりと湧き上がってきた。
あくまで静かな興奮です、
それはそうですバス運転手の単純な一週間追っただけの映画ですから、
しかしです、これはもう私にとって忘れられない映画の一本になった。
この映画の最後に永瀬正敏がちょこっと出ている、
これはもう笑っちゃいますが、です。

そこで思い出した、そういえばです、
「Stranger Than Paradise」の主役をしていたJohn Lurieを撮っていた。
自分のバンド Lounge Lizardsを率いて来日した時です。
招聘した会社から頼まれて撮ったんですね、
確か原宿にあったダンスホールで撮影した。
あの時のフィルムはまだあったっけ、
探してみなければ。。。
で、今回の永瀬正敏でありますが、
永瀬も一回だけだが撮っているんですね、
「アジアンビート」という映画がありまして、
その仕事で台湾で撮影した。
カメラの前に立った彼の存在感に私はびっくりした。
その当時けっこう役者を撮っていたんですね、
そんな中で彼の才能は群を抜いていた。
彼はその時Jim Jarmuschの「Mystery Train」に出演した後だったんですね、
その印象が強く今でも忘れられない撮影の一つになっているんです。

「Paterson」の話でした。
この映画、実は言葉の話でもあったんですね。
決して大袈裟ではなく、言葉を紡ぐ事、
その事をです、さりげなくですちゃんと伝えている。
この映画を受け入れる人は少ないかもしれない、
ですがです、
この映画を面白いと感じられる人はです、
ちょびっと信じてもいいかもしれない、とです、
ふと思ったりしています。

写真は好きなレンズ20mmを持って近くの尾根を歩いてみた
新緑2景
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2018/7/4



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五海ゆうじ写真通信124

「言葉と文」

世の中いろいろな言葉と文が溢れています。
日々私達の身の回りにです、押し寄せてきます。
その中には言葉をこねくり回し書かれた文とか、
まぁ、政治家がよく使う詭弁と欺瞞に満ちた文とか、
なるほどな、と思わせる論理の文とか、
種種雑多、玉石混淆、であります。
どれを読んでいくか、当たり外れもあります。
それでもです、
私わりと文とか文学とかが好きなものでありますから、
読まずにはいられない、
で、あたりがあると嬉しくなるんですね、

それでです、ちょっと最近読んだ本が心に残った。
「羊と鋼の森」宮下奈都
おもしろい、久しぶりに面白いと感ずる文学(敢えて文学と)に出会った。
なにがおもしろいかというとですね。。。。
なんですかね、言葉が一つ一つ丁寧に紡ぎ出され文になっていく、
そして小説になっていく、そんな面白さがあるんですね、
それが言葉でない世界、音楽の世界を舞台に書かれている。
なんか言葉というもの、言葉で形成される文といものをです、
改めてしみじみ考えさせてくれて、なんかよかったです、はい。
まぁ、詩とは一対の言葉ではありますが。

で思い出した、中平卓馬が書きなぐっていた写真評論を、
彼が撮っていた写真とともにその文章に熱中していた時期があった。
彼は薬とアルコールで精神の境界をさ迷い、
ほとんどの記憶をなくしてしまう、
しかし彼は写真を撮り続ける、
そして最後にいきついた写真は、言葉を受け付けないものだった。
つまり写真ですべてを語る、語ることができた写真を撮った。

いま彼の記憶を辿ると、彼が書いた文はほとんど思い出すことができない、
しかし彼の写真はデビュー当時からのものを含め、
断片的だが細部まで思い出すことができる

写真は宮島裏通り2景
宮島_650_1

宮島_650_2

2018/5/9

五海ゆうじ写真通信123

「場末と階段」
場末といえば、かってジャズが隆盛を誇っていた頃、
地方に行くと一軒や2軒はジャズ喫茶というのがあったんですね、
まぁ、街の大きさにもよりますが、
今の若い人達は、ジャズ喫茶とはなんじゃい、
そう思われる人が圧倒的にですね多いと思うんですが、
ジャズ喫茶とはです
店に入るとかなりの音量で音楽(ジャズ)がかけられている、
入ったが最後、ただただコーヒーでも飲みながら聞くしかない、
そして突然店の人から「リクエストは」とぶっきらぼうに訊かれたりする。
始めの頃はアタフタしたこともありました。
そういうところです。
そういうところが好きで通っていた。
でです、地方に行くとそういうところを探し入っていた。
グーグルマップなんてない時代です、
そういうところを探すのにはコツがあった。
その街のです、いかがわしいところ、歓楽街の裏の路地、
そういうところにです、あるんですね、
入ると、こうなんていうか曲者といえば曲者、
つまり一家言の哲学を持っている人が、
コーヒーを入れレコードをかけていたりする。
そういう人を見ながら、
こういうのいいなぁ、と思いながらジャズを聴いいていた。
つまりメインストリートではなく場末にも人はいる、
しかも面白い人がいるということであります。

それで場末の教室でありますが
受講生は趣味で写真を楽しむ、そんな人が多いんですね、
しかしです。軽い気持ちで写真を始めたのはいいが、
こう写真に嵌り、なんですかね穴に落っこちて
必死に写真をやり始める人達がですよ、出てきた。
そしてその人達はほんとに面白い写真を撮るようになってきた。
その人達は写真の階段を探し一歩一歩上がろうとしている。
まぁ、拙い講師ではありますが、
その人達の手を握ろうと始めたのが、
「写真を考える」シリーズと「五海塾」なんですね、
模索しながらの講義なんでどこに行きつくかは解らない、
しかし始めた。
そして今回(4月28日)
「写真を考える」シリーズ第4回「写真を撮る音を奏でる」を
音楽家の今井和雄さんと共に始めます。
話はどこに行きつくか、どれぐらいの時間を費やすのか、
私にも分かりません。だけど始めます。
この録画、とりあえずはフォトアドバイスのSNS「photodays」
の中のメンバーシップ内で配信していきます。
(配信予定は2018年秋)

肖像写真2景
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2018/4/15


五海ゆうじ写真通信122

「流連と持続」
「流連荒亡極道の極み」という言葉があるんですね、
なんでこの言葉を知ったか、
吉沢元治(ベージスト)のアルバムで「OUTFIT」というのがあります。
このアルバム1975年に出されたアルバムで
ジャケットの写真は私が撮ったものであります。
その中で「ryuren(流連」という曲がありまして、
意味がよく解らなかったんで、ある時吉沢さんに訊いてみた。
その時に出てきた言葉なんですね。
この曲吉沢さんの曲にしては、珍しくメロディーがあり抒情、
つまりリリシズムでありますが、それが心を打つ曲で、
私が最も好きな一曲でもあります。

まぁ流れ流れて演歌の世界でもありますが、
それは人が生きていけば誰にでもあるもので、
取り立ててどうのこうのいうものではないんですが、
そう私にもです、この年になればそれはそれでです、いろいろあります。
いろいろあって流れ流れて、
只今現在、私は場末の写真教室で講師等をやっておるんですね、
そうです、かれこれ7年ですかね、やり続けていますですよ、
チリも積もれば山となる、
気が付いてみれば。。。。。
http://photo-store.jp/shopbrand/itsumi/
これだけのものを出していますよ・・・・・・・
今はWEB実践講座が主になっていますが、
それも5本製作していまして、毎年順繰り公開しやっておるんです。
そして今年も花講座が開始されています、
これは今年で5回目なんですね、
なんとです延べ1200人を超える方に受講されておりまして、
なんといおうか、ありがたいことです。

流れ流れて、極道にはなれなかったけどです、
写真の末端で今でも生きている、
そういうことなんです。

写真はボケの花2景
ボケ_188大船

ボケ_213大船

2018/4/5




五海ゆうじ写真通信121

「絵と画家」
絵が好きにと言おうか面白さに魅かれ見るようになったのは
何時頃だったろうか、
田舎もんの私にとって絵はほとんど無縁のものだった。
それが何時の頃からか好きになり、
日本に限らず世界の都市に行くと美術館巡りをするようになった。
今月も仕事でシンガポール行き休日をとり、
シンガポールに新しくできた「ナショナル ギャラリー シンガポール」に行ってきた。
ここは東アジアの現代美術が数多く収録されている。
そういうのを含めて見てまわり、「やっぱ絵は面白いのー」とにんまりし、
最上階のレストランで食事をし、ほんのちょっと優雅な気分を味わったりして、
そういう事を含めて美術館巡りはいろいろな事を感じさてくれる。
ゴヤの「黒の絵」が見たくてプラド美術館にも行った。
フレンツツェの美術館に行った時は、これでもかこれでもかと出てくる
マリア像のあまりの多さに、「イタリアの男はマザコンの集まりか」
なんて事も思ったりしたものだ。
初めて美術館らしきところに行ったのは。。。
そうだパリのルーブルだ、
初めて海外に行った時(1$が¥250の時だ)、
パリのモンマルト広場で絵を描き始め売っていた
ヤマガタ(ヒロ・ヤマガタ)を訪ねて行った。
そしてヤマガタにルーブルに連れていかれた。
確かゴヤの絵だったと思うが、
婦人が描かれたその絵を前にヤマガタは何故この絵がすごいかを、
熱烈に語ってくれた。
絵に疎かった私は「へーそんなものかねー」とですね、
感じていたりしたんですね、
ただヤマガタの新しい側面をみた。
それは彼の絵に対する情熱だ。
それがひしひしと伝わってきた。
そしてパリを離れる夜、ヤマガタの部屋でささやかな宴を催した。
かなり酔っ払ってきたころ、ヤマガタがわらばんしの束を持ってきた。
そこにはポルノといっていいかもしれない、
女性と性器と男女の姿が描きなぐられていた。
私は一瞬言葉を失った。
そしてまじまじと彼の顔を見た。
私の前に一つ才能、才能そのもが立ち現れていた。

この時、私は紛れもない一人の画家と出会った。

シンガポールにて
アラブ人街モスクの裏にあった建物
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アラブ人街の食堂にて
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2018/3/2
プロフィール

iikonodon

Author:iikonodon
広告写真を撮りながら、花と植物、街と人、の写真を撮る作業を続けています。
2011年より電子書籍の出版を開始しました。

※当ブログ内の写真、テキスト等の
無断借用、転載などは固くお断りいたします。

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