五海ゆうじ写真通信89

「ひまわりとおばぁちゃん」

まもなく夏、今週あたりで梅雨明け。。。
そう、夏になると決まって思いだす事があるんですね。
7、8年前になるかもしれない、仕事で全国を回っていた。
その仕事の中で、でありますが、
夏の暑い盛りに舞鶴の方へ向かっていた。
ま、途中に京都があるんですね、
それでは行かねばならぬと、古都巡りではないですよ、京都植物園です。
京都植物園は私のもっとも好きな植物園の一つでもあるんですが、
花を撮りに行った、寄ったんですね。
なんせ暑い、人もあまりいない、
午前中撮影してもうへとへとになり、木陰のベンチで休んでいた。
となりのベンチでもカメラを持ったおばぁちゃんが休んでいた。
持っている三脚をみるとGITZO製、んんん、このおばぁちゃんは。。。
そんな事を思いながらぐったりしていた。
そしたら見るに見かねてか、
「よろしかったらどうぞ」とお茶のペットボトルを私にくれたんですね。
まぁ、お互い花を撮影している事もあり、あれやこれやと話がはずんでいった。
「花を撮影して、もう何十年にもなるんですが、
どうしてもひまわりが撮れないんです、今年も挑戦しますが。。。」
そのまま別れたんですが、なんか、その言葉が印象に残っていて今でも思いだします。
なんでも教授夫人で奈良のほうに住んでいるらしい、
ということまでは話したんですね、
仕事を終え東京に帰ってしばらくしたら、そのおばぁちゃんから一冊の写真集が届いた。
「鳥井日佐子写真集」、花の写真集だった。
その写真集を開き見たとき、私は、ちょっとかなりびっくりした。
あの幸せそうなおばぁちゃんの、
こう内面の葛藤、それは苦悩と暗闇といってもよいかもしれない、
そんなものが花を撮る事で写されていた。

2年ほど前、
私のセミナー「花を撮る」でその写真集の中にある写真を使いたくて
連絡をとった。
「体調を崩され現在入院中です」の返事だった。

鳥井日佐子写真集の中に収められている写真は、
カメラ雑誌に掲載されることもなく、世に知られることもなく、
ごく一部の人達の、記憶の中にしか生きる術がなく。。。

写真は、ひまわり2景
himawari 057

ヒマワリoofuna 004

2015/7/18





スポンサーサイト
プロフィール

iikonodon

Author:iikonodon
広告写真を撮りながら、花と植物、街と人、の写真を撮る作業を続けています。
2011年より電子書籍の出版を開始しました。

※当ブログ内の写真、テキスト等の
無断借用、転載などは固くお断りいたします。

最新記事
最新トラックバック
検索フォーム
リンク
QRコード
QR