五海ゆうじ写真通信116

「川田喜久治とモノクロ写真」

川田喜久治の写真集を手にいれた。
「遠い場所の記憶・1951-1966」
凄まじいといっていいだろう、
写真の力が伝わってくる。

彼の写真集「地図」がとても手に入らない状況、
月曜社から出た再販もプレミアがつきかなりの高額になっていたんですね、
そんな私には嬉しい届けものだった。

この写真集には192枚の写真が収められている。
一つテーマに絞って撮った訳でもない写真群、
しかしですよ、この写真群の中には、確かなテーマが通底している。
それは川田喜久治が持っている視点といっていい、
川田喜久治が見ようとしたもの、見たもの、
一人の写真家として、俺にとって世界はこう見えるんだ、
それが、彼がカメラごしに見た風景、つまり写真なんですが、
被写体の中からヒシヒシと伝わってくる。
一枚の写真の中に収められた人の顔、営み、人が作る風景、
そうなのだ、
ここに写されている風景はどこにでもある風景、
あるいは、あった風景なのだ。
人が見落とす風景(物)を決して感情移入することなく、
丹念に拾い上げ撮っていく、
単純な事実としての風景、
そしてその単純な風景が
一人の写真家によって変貌し、
一枚の写真として私の前に立ち現れてくる。
撮る人と被写体の関係、
それは熾烈といっていいかもしれない、
カメラを持った写真家として、被写体との格闘、
これは暗室作業も含むんですが、
それが川田喜久治の一枚のモノクロ写真の中に閉じ込められいる。

この写真集は改めて写真というものについて気付かさせてくれた。
それは写真の面白さと写真を撮る事の多様性、
そして撮る情熱なんですね。

ローマ2景

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2017/10/13


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iikonodon

Author:iikonodon
広告写真を撮りながら、花と植物、街と人、の写真を撮る作業を続けています。
2011年より電子書籍の出版を開始しました。

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