五海ゆうじ写真通信60

「写真展と出雲」

写真集出版、写真展、その後セミナー「街角スナップ」の用意と、
なんか慌ただしく動きまわっていましたが、ようやく一段落であります。
7日のセミナー自体はまだ残っていますが、
(セミナーは満席となったため募集は終わりました)
写真集、写真展の写真は35年前のものなんですね。
まだ私が駆け出しの頃、
プロの写真家を宣言したのはよいが、喰うあてもなくただひたすら写真を撮っていた。
そんな時代です。
でです、今回のセミナーの「街角スナップ」
どこの街角を歩こうか、あれやこれやと思案をめぐらして。
故郷の街を歩いてみようと、小学生の頃通学した道を歩いてみようと、
どんな写真が撮れるのだろうか、少々不安はありますが、そう決めたんですね。
と言う訳でまたまた時を遡ることにしたのであります。

ご多聞に洩れずかって賑わっていた街は閑散としていてほとんど人通りがない。
それでも歩いた。
半分は小さい頃の面影を求めて、半分は変貌した風景を求めて。
子供の頃から気になっていたちょっとシャレた洋館の写真館はまだ在った。
しかし商売はもうしていなく、建物はかなり傷みはじめている。
人は住んでいるのだろうか、
中が見たくて声をかけてみたら、なんと初老の男性が出て来た。
はじめはつっけんどんで取り付く島もなかったんですね、
それでも粘って話をしていたら、
同じ写真を生業とする者同士少しづつ打ち解けてきて
この写真館は大正時代にできたこと、
そして彼の親父さんが撮っていた古い写真等も見せてもらえることができた。
この写真がなかなか面白く貴重なものではありました。

仕事が終った後実家に寄ったんですね、
そしたら兄貴が古い写真を持ち出してきた。
その中の一枚に写真館で撮った古い記念写真があった。
死んだ母とおばぁちゃんと兄貴達3人が写されている。
一つ上の兄がまだ赤ん坊だから、
おそらく昭和18年前後だろう。
その頃写真館といえばその写真館しかなかっただろうから、
そこで撮った写真には違いない。

出雲の時を遡る旅の一コマではあります。

加藤写真館
出雲_016_2

加藤写真館ショーウインドー
出雲_318

母、おばあちゃん、兄3人
_DSC1250_2.jpg

音楽
Claudio Arrau Finalsessions 「Bach Partitas」
写真展会場ではほとんどバッハをかけていたのですが、
それを知った友人が持ってきてくれた一枚。
これはいい。
いろいろな意味で励まされますね。

2013.12.1

五海ゆうじ写真通信59

「今井和雄と即興」

なんですね、即興音楽というのがあります。
一般的にいうと、非常に解りにくい音楽、とっつきにくい音楽、
退屈極まりない音楽、まぁ、枚挙いとまがないんですね。
しかしですよ、本当によい即興ほどおもしろい音楽はない。
まぁ、こう、断言的に言いますが、
音楽の始めは即興しかなかったんですね、
そこから語り継ぐためにいろいろな方法が生まれてきた。
と、かように思っている訳でして、

歴史のその間は思いっきり省きまして、
2004年PSFレーベルから出た
今井和雄の「far and wee」というアルバムがあります。
このアルバム、2004年時点ではありますが、
私の独断と偏見でいえば、
日本の即興音楽界が生んだ金字塔ではないかと、
まぁ、思っとる訳です。
何故にそう思うか、
それは人の歴史にも関わってくることでもありますが、
今井和雄の音楽にはジャズと現代音楽が、
見事といいましょうか、とても良い形で昇華されている。
そう感ずるわけですね。
で、告知です。
11月3日19:00から
「阿部薫12葉の写真+2」の会場でソロライブをやります。
入場料¥2,000
即興音楽なんて聞いたこともないよ、と言う方、
すでに即興音楽については一家言を持っているいる方。
今の今井和雄が到達している音楽を
ぜひ、ぜひ、聴いてみてください。
じつは、私も久しぶりに今井さんの音楽を聴くんで
楽しみにしているところです。

そんな即興音楽家達(当然今井さんも参加しています)とですね、
私コラボレーションのようなものをやっているんですね。
「地の記憶」なんていうタイトルでありますが、
世間的にいえば、まったく知られる事もなくて
非常に大変残念でありましたが、
今回の写真展で上映します。
11月5日 19:00
入場無料
只なら見てやろうじゃないか、
はい、ぜひ、ご来場をお待ちしています。

写真は「夢の足跡」
茨木県霞が浦の民家
茨城県霞ヶ浦の民家


2013/10/28

五海ゆうじ写真通信58

「阿部薫とベルリン2」

ベルリンの話でした。
阿部薫の写真集に付録としてベルリン・クロイツベルグ地区で
撮った写真(1975年)を10枚載せています。
なんでかといいますと、
まぁ、そのあたりの事は写真集の中で書いていますゆえ、
あまり詳しくはかきませんが、
1978年ベルリンの写真展を開催したんですね。
その時オープニングパーティーをやった。
そしてそのパーティーで阿部が演奏してくれたんですが、
その夜の演奏が東京での最後の演奏になった。

いろいろありました。。。

写真集出版に合わせて写真展も開催します。
この会場が、知っている人は知っている。
知らない人は知らないJIMが元あったところの近くです。
その事務所に阿部もよく遊びといいましょうか、飲みに来ていた。
これも何かの縁というものでしょうか。

写真展ではイベントも開催しますよ。
詳細はこちら
「阿部薫12葉の写真+2」
11月5日は、幻の伝説の音楽家達とのコラボレーションビデオ
「地の記憶」を上映します。(入場無料)
自分でいうのもなんですが、だけどです、
声を大にして言いますが、
アートが好きな人にはぜひ見ていただきたい。
こんなコラボレーションがあったのか、
驚愕、感動、絶賛、
はたまた、冗談じゃねーよ、こんなビデオ見ていられるか!
それぐらいのビデオであります。
興味ある方はぜひ。

10月28日19:00
DOMMUNE阿部薫写真集出版記念特番に出演します。

「阿部薫写真集OUT TO LUNCH]」はアマゾンで発売しています。

大型書店にも並んでいますよ。
買って、勝手飼って刈って駆って、買って、お願いします。

「夢の足跡」東京乃木坂地下通路2013年
地下鉄乃木坂地下通路

ベルリン1975年
berlin 017


2013/10/15

五海ゆうじ写真通信57

「阿部薫とベルリン」

一つの形あるものとして残して置きたい。
それがこの写真集を作る発端だった。
そうなのだ、
ここにある写真を撮ったのはもう35年も前のことなのだ。
阿部が観念の世界だけに生きる人間にならないように、
あるいはそれぞれの人の観念の中に生きる手助けになるように、
そして一人の人間が、まぎれもなく生きていたことの一つ証として、
写真を提出する。
本文「失われる記憶と証明」より

写真集になるかどうかはともかく、
とにかくまとめてはおこうと作業に入ったのが2年前の事だった。
その頃立て続けに二人の友人の訃報が入った。
一人は間章の事を含めいろいろと世話になっていた小池さん。
もう一人は私の所に阿部の音が最もよかった頃の
テープを持ち込んできた石谷さん。
阿部を知る人達がいなくなっていく。
俺だって何時逝くかわかんねぇーもんな。。。
まぁ、そう思ったんですね、
それで古いネガを引っ張りだしてデーター化する作業を始めたわけです。
そして小銭を稼いでいるプロダクションが写真集を出すことにのってきた。
ところが原稿が全部揃った段階で、
「阿部薫に関係する事からは一切手を引きます」
突然のメールがきて、宙ぶらりんの状態になってしまった。
まぁ、今の時代出版はむつかしい状況でありますから、
これもしょうないか、暫くほおっておいたんですね。
そしたら、捨てる神に拾う神といいましょうか、
手を差し伸べてくれた人がいた。
間章の出版をしている須川さん、
簡単ではありますが、
そういう訳で「阿部薫写真集OUT TO LUNCH!」を出版することができました。
書名:阿部薫写真集 OUT TO LUNCH
写真・文:五海ゆうじ
発売日:10月16日
価格:3,800円+税
判型:B5判変・上製、90ページ

アマゾンで予約受付開始しています。
阿部薫写真集OUT TO LUNCH!

で、ベルリンは何なの?
あっとと、、それは次の写真通信で。。。

ベルリン・クロイツベルグ地区 1975
01berlin 002

阿部薫1976
20photo-5_450.jpg

2013/9/29




五海ゆうじ写真通信56

「パリと阿部薫」

御茶ノ水、神保町あたりで打ち合わせがあると、
少し早目に出てディスクユニオンの中古CDを漁るんですね。
主にクラシックとジャズでありますが。
今回はジャズ館でBill Evansのアルバムを2枚買った
「sunday at the village vanguard」
これはタイトルにも書いてあるように
Scott La Faroが主人公であります。
なんといいましょうか。。なんてったって彼のベースは素晴らしい。
「The Paris Concert」
このアルバムのジャケットにはブレッソンの写真が使われている。
まぁ、だから買ったということもあるんですね、ハイ。
この写真のアングル
初めてパリに行った時(1975)、ヤマガタに案内されて行ったポジションで
私もシャッターを切った所であります。
このブレッソンの写真、焼き(暗室作業)がいいんでね、
とてもいい感じが出ている。
で、なんで阿部薫が出てくるかと言いますとです、
その頃の私、吉沢元治、阿部薫、まぁジャズシーンで
新しき流れを創りつつある人達を撮っていたんですね。
そしてヤマガタはパリでSteve Lacy、Derek Bailey達と親交を結び始めていた。
それでもってなんでその日神保町界隈に行ったかといいますと、
出版社編集者の方と阿部薫写真集の打ち合わせで行っていたんですね。
と言う訳で阿部薫写真集「Out To Lunch」が
10月4日K&Bパブリッシングから出版されます。
詳しく次回で書きますゆえ。。。

写真はパリ2景(2008)
paris BW_3jpeg_450


paris07_450.jpg

2013.9.16
プロフィール

iikonodon

Author:iikonodon
広告写真を撮りながら、花と植物、街と人、の写真を撮る作業を続けています。
2011年より電子書籍の出版を開始しました。

※当ブログ内の写真、テキスト等の
無断借用、転載などは固くお断りいたします。

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