五海ゆうじ写真通信90

「寿町と反町」

横浜寿町といえば、名だたるドヤ街の一つでありまして、
普通の日でも、狭い地域でありますが歩くと
こう一種独特の雰囲気があるところです。
迂闊に、いい加減にといいましょうか、
決してシャッターを切ってはならない地域でもあるんですね。
そこのハローワーク前広場で毎年フリーコンサートが開催されている。
私個人としてはですよ
「なんでー」そんな感情をずーと持ってはいたんですね。
しかしです、
1979年から始まって今年で実にですよ、37回目となるんですね。
いろいろな問題を孕みつつもですよ、
これはもう主催者に敬意をはらうしかない。
それでです、今年は「渋さ知らズ」が出演するし、
「渚ようこ」も出演するというんで
行ってみようかと出かけたんですね。
会場への道は、
やはりといいましょうかちょっと違う空気が流れている。
しかし会場は若い人、年寄もいましたよ、で熱気に溢れていた。
ただですね、このあたりを根城にしている人はそんなにいない、
それはそれで手作りのコンサートらしく、
なにかいろいろと記憶が蘇ったこともあり、楽しい一時でありました。
でです、何が記憶の中から蘇ってきたかというとですね、
横浜の反町で過ごした2年間です。
反町といえば寿ほどではないにしても、
元青線と言われていた地帯でですね、
雨の降る真夜中、呑み屋から素っ裸にされた客が放り出される、
というような所でもあります。
そんな所にあるタコ部屋のような家に寝泊まりしながら、
必死に這い上がるための金を貯めていた。
つまり学校にいくための金です。
このタコ部屋、人生の吹き溜まり、
なんせ音楽を聴くために買ったトランジスタラジオが買って一週間後には
2,3軒先の質屋のショウウインドに並んでいた。
なんて事もあったりして、共産党のオルグ員、とか
様々な連中が出入りしていたんですね。
人と人の混沌と喧騒の中での生活、それはそれで、
今から思えばですがほんと面白い所だったんではないかと、
ここで過ごした2年間が私の大学であったかもしれない。
まぁ、そんな事を思いだしたりと。。。
そして、そんな生活の中で唯一の楽しみは、
野毛にある「ちぐさ」へ行ってジャズを聞く事だった。

話は戻りますが、寿フリーコンサートで一人の人と出合った。
杉田誠一さん、元「JAZZ」誌編集長をしていた人だ。

写真は「夢の足跡」2景
名古屋市中村区開店前の商店
名古屋中村区開店前の商店

福岡空港待合室
福岡空港

2015/8/16

五海ゆうじ写真通信89

「ひまわりとおばぁちゃん」

まもなく夏、今週あたりで梅雨明け。。。
そう、夏になると決まって思いだす事があるんですね。
7、8年前になるかもしれない、仕事で全国を回っていた。
その仕事の中で、でありますが、
夏の暑い盛りに舞鶴の方へ向かっていた。
ま、途中に京都があるんですね、
それでは行かねばならぬと、古都巡りではないですよ、京都植物園です。
京都植物園は私のもっとも好きな植物園の一つでもあるんですが、
花を撮りに行った、寄ったんですね。
なんせ暑い、人もあまりいない、
午前中撮影してもうへとへとになり、木陰のベンチで休んでいた。
となりのベンチでもカメラを持ったおばぁちゃんが休んでいた。
持っている三脚をみるとGITZO製、んんん、このおばぁちゃんは。。。
そんな事を思いながらぐったりしていた。
そしたら見るに見かねてか、
「よろしかったらどうぞ」とお茶のペットボトルを私にくれたんですね。
まぁ、お互い花を撮影している事もあり、あれやこれやと話がはずんでいった。
「花を撮影して、もう何十年にもなるんですが、
どうしてもひまわりが撮れないんです、今年も挑戦しますが。。。」
そのまま別れたんですが、なんか、その言葉が印象に残っていて今でも思いだします。
なんでも教授夫人で奈良のほうに住んでいるらしい、
ということまでは話したんですね、
仕事を終え東京に帰ってしばらくしたら、そのおばぁちゃんから一冊の写真集が届いた。
「鳥井日佐子写真集」、花の写真集だった。
その写真集を開き見たとき、私は、ちょっとかなりびっくりした。
あの幸せそうなおばぁちゃんの、
こう内面の葛藤、それは苦悩と暗闇といってもよいかもしれない、
そんなものが花を撮る事で写されていた。

2年ほど前、
私のセミナー「花を撮る」でその写真集の中にある写真を使いたくて
連絡をとった。
「体調を崩され現在入院中です」の返事だった。

鳥井日佐子写真集の中に収められている写真は、
カメラ雑誌に掲載されることもなく、世に知られることもなく、
ごく一部の人達の、記憶の中にしか生きる術がなく。。。

写真は、ひまわり2景
himawari 057

ヒマワリoofuna 004

2015/7/18





五海ゆうじ写真通信88

「GET UP,STAND UPとI SHOT THE SHERIFF」

しかし、なんですね、
まぁ、末端にはですよ、
何時の時代も愚かな政治家というものはいるものですが、
ここんところの、なんといいましょうか、
気が付けば権力(政府)の中枢にですよ、
そんな連中が居座ってきている。
こう、なんですかね、これも国民が選んだ政治家でありまして、
どうにもならんものかと。

かれこれ15年前になりますか、
まで渋谷に(なんてたって山手線の内側にです)
事務所を構えていたんですね。
いろいろな仕事をしていた。
なかでも映画の仕事はいろいろとしていたんですね。
自慢ではないですが、自慢でもありますが、
一時、銀座にある東映の本社に行くとですよ、
私が撮った映画のポスターがずらりと並んでいた。
というぐらいでもありました。
そんな中で若ちゃん(若松孝二)の映画も手伝っていたんですね。
まぁ、あまりといおうかほとんど金にはならなかったんですが、
なんか現場が面白くて参加していた。
若ちゃんですから当然ピンク映画を数多く撮っていた。
そんなピンク映画の一本を手伝っていた。
タイトルはなんだっけ?思いだせませんが、
確か若い女の子が警官を殺してしまう。というような物語だった。
その頃、音楽界ではボブ・マリーが出てきて
アンテナの感度がよい人達の間では話題になってきていた。
それでです、なんとその映画のラストシーンにですが
ボブ・マリーの音楽を使ったんですね。
その時に若ちゃんと「GET UP,STAND UP」にするか
「I SHOT THE SHERIFF」にするか、でかなり話合った。
結局は「I SHOT THE SHERIFF」を使ったように記憶しているんですが、
どうだったかな。。

ここのところ、その愚かな政治家達に我慢できないと
若者達がデモを始め、それが全国に広がってきた。
それでです、その中の一つ渋谷で行われたデモでです、
ボブ・マリーの「GET UP,STAND UP」が流れていたと聞いたんですね。
ま、そういう訳です。

写真は「夢の足跡」2景
横浜日ノ出町
横浜日ノ出町

東京都青梅市 廃校になった学校の校庭
青梅市廃校になった校庭のブランコ

2015/7/1

五海ゆうじ写真通信87

「写真と音楽」

まぁ、少し大袈裟なタイトル、抽象的なタイトルではありますが、
写真は、いわば私の生業とするところであります。
そのせいか写真については、
あれやこれやと何故かこう簡単に喋れないところがあるんですね。
音楽につては、趣味といいましょうか、
好きで、あれやこれやと写真の仕事もやっていますですよ。
即興、フリーミュージック、あるいはノイズと言われるような、
どっちかというと一般的な世間からいうとですね、
かなり変な音楽をフィールドにしているんですね。
だからといいましょうか、まったくと言っていいほど金にはならない、
金を注ぎ込むだけ。。。。そういうところです。

それで写真の話です。
先日、花講座のセミナーをやったんですね。
私が喋る前に花の写真をスライドショーで展開した。
そのバックに何か音楽でもかけようと、
ひっぱり出してきたのがアラウのラストセッション、
バッハのパルティータだったんですね。
それがですね、うけたといいましょうか、
花の写真と合ったといおうか、
こう会場の空気が張り詰めた。
そういう緊張感、
ある意味会場の人達が楽しんでいるということでもありますが、
こんなこともあるんだ。ちょっとこれは驚きでした。
セミナーの模様はDVDで発売していますが、
当然音楽はカットしています。
会場にいた人しか、あの感動は得られなかった。

アラウのパルティータですが、
これは阿部薫写真展の時にですね、
会場で阿部の音楽と一緒にバッハをずっとかけていた。
その時に友人が、それではと持ってきてくれたもので、
これがなかなかで、
それ以来、私の愛聴盤の一枚になっとるんです。

エー、余分な話であります。
そんなセミナーDVDのダイジェスト動画が見られます。


写真はシンガポール植物園花2景
RENANTHERA KALSOM
RENANTHERA KALSOM_190singapore

Euyops pectinatus Gloden Daisy Bush
Euyops pectinatus Gloden Daisy Bush_078singapore

2015/6/3


五海ゆうじ写真通信86

「満州国演義と豊饒の海」

満州国演義全9巻その一「風の払暁」を読み始めた。
世界の地を舞台に荒ぶる人間像を書き続けた船戸与一が
人生最後に選んだ地は満州だった。

彼の小説は、なにはなくてもほんと面白い。
そして本の中の主人公達が生きる、
その時々の時代背景も確かな検証と資料に裏打ちされていて、
本を読むことで
まぁ、勉強不足の私としてはたいへんに勉強になったといいますか、
助かったところもあったんですね。
古くはゴルゴ13まで遡りますです、ハイ。

第一巻「風の払暁」もいっきに読み終えた。
読んでいる時、こう、ふとですが、
三島由紀夫の「豊饒の海」を思いだしたんですね。
おそらく文学的には、この本、
まぁ、文学音痴の私がいうのも変ではありますが、
いろいろな意味で対極に位置するのではないかと。。。

そんな事をつらづら思いながら
第二巻「事変の夜」に突入であります。

ここでお知らせです。
私の写真講座DVD、今まではセット販売のみでしたが、
個別に買えるようになりました。
写真に興味があるかたはぜひ、まずは「写真概論」から
http://photo-store.jp/

写真は「人の中へ」2景
島根県出雲大社
出雲大社_461

名古屋駅新幹線口
名古屋新幹線口

2015/5/4
プロフィール

iikonodon

Author:iikonodon
広告写真を撮りながら、花と植物、街と人、の写真を撮る作業を続けています。
2011年より電子書籍の出版を開始しました。

※当ブログ内の写真、テキスト等の
無断借用、転載などは固くお断りいたします。

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